分析記事の取り扱いには注意! 誤解を拡散しないように注意したいこと。
こんにちは、おっさんです。
本日はちょっと気になるリサーチ結果について書いてみようかな、と。
まあ映画ブロガーだけでなく、多くのメディアやネット掲示板等でも話題になっていましたね、この記事。
調査結果をどう見るべきか。
さて、最初に書いておきたいのですが、この記事を読んで、少なくともこの記事の論旨展開では、
“「映画館離れ」が深刻”なんて結論はだせません。
出せないハズなんです。
○○を離れるといえるためには、その○○に一定の需要が存在した過去があって、その頃と比較して、現在の需要は少なくなっている、という状況が必要になります。 が、元記事を見る限り、そうした比較は行っておらず、現状の調査結果についてコメントと考察をつけている。
それらの分析は正しいのでしょうが、これを“「映画館離れ」が深刻”なんてタイトルで世に出すのはよろしくないと思いますし、それを引用・拡散するブログ他の2次メディアでも取り扱いを誤りかねない。 というか実際にタイトルだけを持って昔と比較してどうこう、みたいな意見を述べているブログとか、けっこう目につきます。どんどん問題の本質、今回の調査結果から議論の方向性がずれていって、じゃあなんのための調査だったのか、となりかねません。
定期観測の重要性
では逆に、「○○離れ」を論じるにはどういう調査方法がいいのか。 これは簡単なことで、定期的に同じ調査を行い、それらの結果を縦に比較するコトが必要となります。
例えばリサーチバンクさんがやられていますね。
これらの調査でも、実際に映画離れは起きています。 ですが、それはこうした調査を行っている人たちが言っていいのだと思うのです。
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今起きていることの把握/原因/対策
では、しらべぇさんの調査は無駄だったのか、というとそういうわけではないのです。
この調査からは2つ、大きな事実が見て取れます。
- 映画館に行かない人は全体の4割
- 30代以上の女性でこの傾向は顕著
この記事から読み取るべきはこの2点です。 となると、「やっぱり今の料金は高いよな」という十把一絡げなコメントは的を射ていないことになると思いませんか?
なんかそれっぽい、衝撃的なタイトルをつけてバズらせるのは、ブロガーのアクセスアップでは常套手段ですが、リサーチする側がやってしまってはいけないと思うわけです。
と同時に、それを取り上げるブロガーなども、扇情的なタイトルではなく、内容をきちんと考慮して記事を書くべきだと、きちんと認識しないといけないですよね。自戒をこめて。
最後に
この記事が訴えていることは明確なので、例えばレディースデイのサービス拡充や価格低減の提案、傾向の大きな層に映画の魅力を伝えるにはどういう手段や広告が適切なのか、という方向に議論が進んでくれればいいなぁ、と思うわけです。
それこそがリサーチメディアとコメントメディアのあるべき姿かなぁ、と。ま、僕が言っても説得力ないですけど。
しかし、こういう若者の○○離れ、って表現で問題の本質をぼかしちゃうやり方、だれが作った流れなんですかねぇ。
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