おっさん、映画を見る

広告業界で働くITエンジニアなおっさんが、映画について語っていくブログ(ネタバレもあり)

生きていく上でいちばん大事なのは誠実な人柄だ、といことがよく分かる映画 『金メダル男』レビュー

こんにちは、おっさんです。

なんかね、旅行から帰ってきて一気に忙しくなりまして、加えて温度差のせいか、ひどく体調を悪くしまして。 映画見る気力がおこらない、見てもなんとなくブログ書くことが出来ない、という状態になっていました。

とはいえこのままではいかん、ということで、思い切ってキーボードを叩き始めます。改めまして、今後とも宜しくお願いします。

ということで、もう見たのは2週間くらい前になっちゃうんですが、今更感ただよう『金メダル男』のレビュー、行きましょう。

http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/030/815/48/N000/000/004/146002776806603320180.jpg

http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/030/815/48/N000/000/004/146002776806603320180.jpg

『金メダル男』のストーリー

東京オリンピックに沸いた1964年に長野県塩尻市に生まれた秋田泉一は、小学生の時に運動会の徒競走で一等賞に輝いたことがきっかけで、一番になることの幸福感にとりつかれる。それ以来、ありとあらゆるジャンルで一等賞を獲り始めるが、中学に入ってからはすっかり一等賞から見放されてしまう。

金メダル男 - Wikipedia

コンビ芸人「ウッチャンナンチャン」のウッチャンこと内村光良さんの自伝的作品。

内村さん自身は熊本の出身ですが、小学生の頃は絵画コンクールで入賞したり、生徒会長を努めたり、多芸な人だったようです。とはいえ、少年時代に『出来る』子どもほど、成長するに連れて壁にぶつかったり挫折したり、というのはよくある話。

本作の主人公、秋田泉一もまた、ちょっと小柄な体格もあって中学以降は壁にぶつかってばかりで、昔憧れた「金メダル」には見放されてしまうのですが、それでもなんとかするべく、持ち前のバイタリティと“いろいろこなすことができる”器用さで様々なことにチャレンジしていきます。

例えば劇団に所属してみたら実はそちらの方だった座長に言い寄られてみたり、自転車で世界一周に挑戦しては盗まれてみたり。インドでカレー大食いチャレンジに挑んだら、チャレンジ前に水に当たってリタイアしたり。

ちなみにこの大食いチャレンジのとき、元猿岩石の有吉弘行さんが電波少年の企画でユーラシア大陸ヒッチハイクの旅の途中で遭遇した、という設定になっていたりいいよってきた座長はムロツヨシさんだったりと様々なところで芸人仲間が登場する作品です。

しまいには手こぎボートで太平洋横断に挑戦しようとして遭難して無人島に……ああ、PVでみたあの映像はそういうことだったのか、となったりします。

 そして(クリックでネタバレあり)

昔の特技を思い出しながらなんとか生き残り、奇跡の生還を果たした泉一にまっていたのは各地での講演の日々。そして彼のマネージャーを務めたのが、かつての憧れのアイドル、北条頼子。彼女もまたやはり夢破れてOLをしていたのです。 二人三脚で各地を飛び回るうちに、泉一と頼子は結ばれることになり、一子をもうけます。家族を食べさせるために危険な仕事も持ち前のバイタリティでこなしていく泉一。 そんな生活の中、母が事故で怪我をしたと追撃連絡を機に塩尻に帰ったときに撮った1枚の写真が、コンクールを受賞したとこでカメラマンとして世間に認められた泉一。紆余曲折の末、彼にもやっと、これが自分の道だ、と思えることにも出会えたのです……と、いい話では終わらないのがこの映画。息子が学校で一番を取った、という出来事がきっかけで、新しいことにチャレンジしていく魂に火がついて、今度はプロゴルファーを目指して練習しています、というオチでした。

舞台『東京オリンピック生まれの男』について

さて、この『金メダル男』ですが元ネタというか、同材の舞台『東京オリンピック生まれの男』という作品があります。東京・サンシャイン劇場にて2011年7月7日から10日にわたって全5回上演されたとのことです。本作同様、内村が自身と同じ"東京オリンピック生まれの男"秋田泉一を演じ、様々な芸を実演していく約2時間の一人舞台ですが、残念ながらパッケージ化はされていません。

WOWOWで何度か再放送しているようですので、興味があるようであれば加入して再放送まち、ということでしょうか。

結局、なにがやりたい映画なのかはわからない、のだが…

正直にいって、映画としての評価は必ずしも高いとは思いませんでした。

少年期の全能感と挫折は大なり小なり誰しもが味わう普遍的なもので、泉一のキャラクターは多少大げさでメリハリがありますが、その生き方、考え方などは特別なキャラクター性を感じません。またカメラワークなども平凡で、カット割りなども特にセンスを感じるということもありません。

そのため全体を通しては若干退屈、というのが正直な印象で、映画の内容だけ知りたければPVで十分かなぁ、と思わざるを得ません。

kinmedao.com

大事なのは人柄なのだ、という話

けれど、多分、本作の魅力ってそこじゃないんでしょう。

前述のムロツヨシさんや有吉弘行さん、他にもアルバイトをしていた寿司店の店長に笑福亭鶴瓶さん、子供の頃の友人たちの成長後のキャラクターを温水洋一さんや高嶋政宏さん、そしてヒロインの木村多江さん他、とにかくキャストが何処かで見たことある人ばかり。

公開前のインタビュー等を見ても、彼らキャストがみな、監督であり芸人であり、主人公のモデルである内村光良さんの人柄、キャラクターをとても好いている、というのがよくわかります。

結局、映画としてはよくある一人の人生を描いた作品なのですが、そうした”平凡な”人生であっても、周りの人に好かれていれば(そして、それはとりもなおさず好かれるような人柄であれば、ということでもあります)、彩りに溢れて幸せに過ごせるんだ、という内村さんのメッセージなのかもしれません。

終わりに

さて、冒頭に書いたようにどうも調子を崩してブログがかけなかったわけですが、いざ書き出してみるとどうにか自分なりの文章にできるもんですね。 これからも少しづつペースを取り戻していきたいと思いますので、今後とも宜しくお願いします。