おっさん、映画を見る

広告業界で働くITエンジニアなおっさんが、映画について語っていくブログ(ネタバレもあり)

俺視点で選ぶ2016映画ベスト10

こんにちは、おっさんです。

いよいよ2016年も終わり。今年はどんな年だったでしょうか。

さて、今年は本当に映画が当たり年。「もう全部良いんだし、別にベストとかまとめなくても良くない?」とか思ったりもしてたのですが、逆にいえば、いろんな人がそれぞれの基準でベストを決めたらどんな感じになるのか、とても興味深い年だったともいえます。

ということで、日頃から当ブログに訪れていただいている皆様へ、そして色々とコメントいただけたりとお世話になっている方々への感謝を込めまして、俺的ベスト10を書いてみようかな、と思います。まあね、とはいえ全部語っていくと長くなりすぎるんで、サラッと行きますよ、サラッと

第10位

ゴーストバスターズ

本作は、このブログで記事にした記念すべき最初の作品です。だから、というわけではありませんが、第10位にランクイン。 近年、過去の名作のリブート、新解釈が流行ではありますが、この作品はそれらの中でも斬新さが大きい(主役を全部性別入れ替えてきたわけで)にも関わらず、上手くまとめてきた、という点を評価したいです。また旧作ファンへのサービス精神も大きく、とにかく楽しめた。夏の良作でした。

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第9位

貞子vs伽椰子

とにかく、「よくこんなアホな企画実現したな!」というその一事によるランクイン。そりゃね、みんな考えてましたよ、こういうの。でもやらない。くだらないもの、基本的には。なのにそのくだらない思いつきをやっちゃったというか、やらかしちゃったことを評価したい。オチもね、えらい笑いましたもん、これ。

なお、この作品はブログ開設前の上映なので、個別レビュー記事はありません。

第8位

アイアムアヒーロー

昔からゾンビとコメディは相性がいいのは知られていましたが、邦画でここまで食べ合わせが良かった作品は過去にあまり記憶がない。そんななか、大泉洋がとにかくいい味を出していて、平凡で、むしろ社会からは爪弾きにされかけているような、そんなしょぼくれているけど、いざとなったらヒーローになってしまう(自主的になるのではなく、なってしまう感じ)キャラクターを素晴らしい演技で演じていた。今年は「ヒメアノ~ル」なんかもあったけど、本作くらいにマイルドにグロい感じが個人的にちょうどいいです。

なお、この作品はブログ開設前の上映なので(以下略

第7位

君の名は。

こんな順位?と思う方もいるかもしれないですが、個人的にはこの辺が妥当かなぁ、と。 SF的にもアニメ表現的にも過去最高ではなく、しかしそうしたいろんな要素を高いレベルでまとめ上げた監督の力量と、やはり特筆すべき興行収入を鑑みてここ。でもね、やっぱり良作であっても傑作ではない、と思うんですよね、これ。

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第6位

オデッセイ

ご存知マット・デイモン主演のSF大作。たった一人、食料も水も、酸素すらない火星に取り残されてしまったら、という「孤島サバイバル」モノの極北といえる作品。とにかくきちんと科学考証がなされており、パスファインダーをつかった通信のアイディアなど、オールドなSFファンも納得の仕上がりでした。これ、アメリカのエンジニアがWEB小説として連載していた作品なんですよね。俺TUEEEモノばっかり書いている日本のWEB小説家に向けて、きちんと考証しろよ、と強いメッセージになってくれると良いんですが。

なお、この作品はブログ開設前の(以下略

第5位

デッドプール

よくぞこれを単体映画にしたもんだ、頭大丈夫かマーベル!『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』に登場した彼とは違い、オリジナルに忠実に、公式にクレイジーというキャラクター性と、平気で第四の壁を超えてくる演出の面白さ。『スーサイド・スクワッド』に見られるようなDCの焦りをあざ笑うかのように、余裕たっぷりのマーベル・コミックの力を見せつけてくる作品です。

なお(略

第4位

シン・ゴジラ

ある意味で、今年を象徴する作品だと思います。リブート、新解釈の大作の中、ほんとうの意味で、過去作では決して見ることのできなかった描き方でゴジラを描いた作品。CGI特撮の技術向上が寄与した部分も大きいのは確かですが、ポリティカル・サスペンスとしての怪獣映画。ありだと思います。地味にこの監督らしい、古事記とか古いSFとかに知見があるともっと深く考察できるような、そうした作りが継承されていたことにも好感。

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第3位

この世界の片隅に

この作品の順位が一番迷いました。一位にもふさわしく、かといってまったく選外と言われても違和感がない。主人公の性格と、作品の立ち位置がよく似通っている不思議。実は公開から結構たってから、それも平日に観に行ったわけなのですが、結構なご年配の方でほぼ満席という状態で。そういう層にヒットした作品って今年はあまり見かけなかった。そういう層に、深く、共感されるような作品がクラウド・ファウンディングから生まれたこと。とにかく異例ずくめの本作を第3位としたいと思います。

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第2位

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

ツイッターで紹介したのですが、スターウォーズ世界観は2014年に大幅な設定変更がなされており、過去にあったイベントなどが一部リプレースされたり名称が変わったりしています。

本作で描かれた闘いも実はそうした中で生まれた新サーガではあるのですが、4・5・6と1・2・3の新旧三部作シリーズを違和感なく結びつけつつ、あくまで大枠としてのスターウォーズ像から外れずにきちんと作品として面白いものにしてきた。それは大抵のことでできるものではないでしょう。納得の高評価です。

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第1位

ハドソン川の奇跡

意外な選出でしょうか。

長時間の大作が幅を利かせる中、なんと96分という短時間の中に、このストーリーを映画として成立させるために必要な要素が全て入っている。それってすごいことだと思うのです。まるで主人公サリーの心境を表すように、少しずつ形を変えて都合3度ほど訪れる「墜落したif」のイメージ。英雄として祭り上げられる、あるいはまるで容疑者のように扱われるストレス。「全員が力を尽くし、全員が助かった」ことで得られら、奇跡のエンディング。あらゆるシーンが無駄なく、説得力を持ってそこに置かれている映画です。

確かに作品としての面白さとか、映画のダイナミズムなどはもしかするともっと低い順位に置くのが妥当なのかもしれません。それでも、ギュッと濃密にあらゆる要素を詰め込んだ脚本と、監督、役者の技術、関わったすべての人のプロフェッショナルな仕事を評価したい、と僕は思い、この順位にさせていただきました。

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総評

君の名は。』のところに書いたんですが、傑作と良作はやっぱり大きく評価の差が生まれるところだと思います。そうしたなか、上位4つは紛れもなく傑作といえるのではないか、と思います。

まずはその区切りで大きく上位グループと下位グループに分けたあと、作品としてのインパクト以上にオリジナリティ、これは決してテーマが斬新とか、そうした単純な意味ではなく、例えば作り込んだ脚本であるとか、そうした職人芸部分をひっくるめてのオリジナリティという部分で上下を決めてみました。

だからこの作品を一位にしました。「あれだけきちんと作り込まれた作品ってなかなかお目にかかれないと思う」と未見の方に紹介できるって結構すごいことじゃないかと思うんです。関係者すべてがプロフェッショナルだった。あえて選考理由を一言で書くとすればこうなります。

正直もう一度見たくて、Amazon先行セル版を購入しちゃったくらいです。

でもねぇ、本当に今年は良作がおおかった。一晩寝て考え直したら順位が変わる、そんな年だったと思いますよ

おまけの選外(栄えある「次は頑張りま賞」)

本当はここでは惜しくもランクインを逃した作品を取り扱うべきなのかもしれませんが、あえて、”もうこれ全然アカンでしょ!”という映画をひとつご紹介。この作品のファンの方々、関係者の皆様、本当にすいません……

CUTIE HONEY -TEARS-

ま、そうですよね〜。

これですが、SFとしての設定は色々と面白くなりそうな要素は多かったんです。が、消化できていない。きちんと作品としてまとめられていない。つまりは、SF映画になっていない

じゃ、キャラモノとしてはどうかというと、もうキューティーハニーという名前もキャラクター性もそっちのけで話をすすめるもんだから、こちらも評価できない。とにかく、西内まりやの体当たり演技だけが可愛いけど、それ以外は全部駄目、というまれに見る作品でした。

設定は良いんだから、きちんとSF考証をしつつ、矛盾がないようにハニーというキャラクターを作り上げるという、ある意味で当たり前の手間を、おそらく制作陣がサボった結果。もったいないし、もう一度、別の監督、脚本で見てみたい新ハニー。けど、チャンスもらえないだろうなぁ、と思うと、本作の罪は重い。

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終わりに

個人的にはあまりに今年、映画が面白かったものでおもわずこのブログを始めてしまったことが思い出深いです。

最期に、御覧頂いている皆様に於かれましては、本年は大変お世話になりました。来年以降も引き続きのご愛顧を賜りたく、ご挨拶を兼ねた更新とさせていただきます。本当にありがとうございました