あなたは「挑戦者」? それとも「視聴者」? ”NERVE”でわかる性格診断……みたいな映画 『NERVE/ナーヴ』レビュー
こんにちは、おっさんです。
ようこそ三連休。今年は正月休みが短かったから本当にありがたいですね。そんな休みの初日にも、結局映画をみにいくわけでして……
本日見てきたのは、『NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム』です。
http://www.start-nerve.jp/img/slide1_p.png
ストーリー
ヴィーことヴィーナス(エマ・ロバーツ)は、スタテン島で看護師の母親(ジュリエット・ルイス)と暮らす高校3年生だ。名門カリフォルニア芸術大学から入学通知を受け取ったものの、自宅から通える大学に奨学金で進学すると信じ込んでいる母親に言い出す勇気を持てないでいた。大学から届いた入学するか辞退するかの最終的な返答を求めるメールを前に悩んでいたヴィーは、Facetimeしてきた親友シドニー(エミリー・ミード)から多人数参加型ゲーム「NERVE/ナーヴ」のことを教えてもらう。 そのゲームとはサイトにアクセスした人がそれぞれ「挑戦者」と「視聴者」のどちらかを選択し、「視聴者」は視聴料金を支払い、「挑戦者」は「視聴者」たちが出す指令に「やる」「やらない」を選択できる。視聴者数をもっとも集めた「挑戦者」2人が最終的に決戦に挑み、大金を手にするというものだった。 地味なヴィーはゲームには無関心だが、大胆なシドニーは「挑戦者」としてネット・セレブになるつもりだ。ヴィーが卒業アルバム用に片思いのJ・Pが活躍するアメフト部の写真を撮影しているとき、チアリーダーのシドニーは〈観客に向かってムーニング(生尻をさらす行為)をする〉ミッションをクリアし、喝采を浴びる。試合後、ダイナーでシドニーからJ・Pに話しかけろとけしかけられて怖じ気づくヴィーは「臆病」とバカにされた上に、シドニーがヴィーの恋心をJ・Pにばらしてしまう。片思いしていたJ・Pから「タイプじゃない」と面と向かって言われてしまうヴィーは、恥ずかしさから店を飛び出してしまう。頭に血が上ったままゲーム「NERVE/ナーヴ」にアクセスしたヴィーは、「挑戦者」を選択。 しかしそれは自動的にネット上にあるヴィー自身の情報をすべてオープンにする危険なアクセスだった…。
挑戦者に課せられた3つのルール
- すべての挑戦は「挑戦者」自身の携帯で撮影する。
- 挑戦に失敗もしくは棄権した場合、それまでに手にした賞金は没収される。
- 「NERVE/ナーヴ」のことを警察に言ってはならない。
出典:http://www.start-nerve.jp/story/
ま、ようするに、SNSが発展した現代ではみんなyoutuberみたいなもんだから馬鹿やってフォロワーのリクエストに応えて大金稼いでしまおうぜ!、ということです(違う)。
もう考えるまでもなく過激化する未来しか見えない胡散臭いオンラインゲームに、友人に煽られて参加しちゃうヴィー。
彼女に課せられた挑戦は、
- 知らない男性に5秒間キスすること $100
最初からハードル高ぇ! - (服も財布も奪われた状態で)店から脱出しろ $2,500
- 目隠ししたバイクで60mph(時速96キロ)を出せ $10,000 etc.
というわけで、ヴィーは次から次へと与えられるミッションを(しかも自撮りで!)クリアしていくのですが、当然ながらクリアのハードルもどんどん高まって最後には……
正直細かい所にはあらが目立つのですが、なんとなく現代チックでとにかく荒唐無稽な設定と、そういうシーンを立て続けにぶつけてくるスピード感で最期まで一気にみてしまう、そんな映画ですね。ジャンルとしては暴走青春サスペンスとかそんな感じ?
ま、現実のほうが先に行っちゃってるんですけどね。こういうピンポイントに”今”を描いた映画にはよくあること。
ここまでやって月収5000円程度だっていうくらいだから、ヌルいなNERVE!
高いところが苦手な人には絶対に見せられない映画
本作において、主人公であるヴィーと相方のイアンが挑むミッションは、「視聴者」すなわち彼らのフォロワーたちが設定することとされているようです。前項に書いたようにその課題はどんどん過激化していくわけですが、なんというか人間の根源的な恐怖心とか羞恥心をついたネタが、当然多く入ってくるわけです。
何が言いたいかというと、やたらと高いところから見下ろす画が多いんですよ。これ、絶対高所恐怖症の人が見たら無理だと思う。僕はわりと平気な方ですが、終盤のクレーンのシーンではちょっと手汗かいたくらいです。
で、そのシーンをみて思いつきました。
”NERVE”でわかる性格診断
ある映画のワンシーン。男性が高所から片手でぶら下がっているとき、あなたは何を思いますか? クリックで選んでください。
- 映画だからどうせ助かる。落ちてどうやって助かるか見せてみろ
- どうせ落ちないと分かっててもなんとなく(あるいは生理的に)無理
- これだけでギャラもらえるなら自分もやるなぁ……
1.を選んだ方
NERVE「視聴者」向きなあなた。ぜひともオンラインアカウントを作成して、「挑戦者」に過激な無茶ぶりミッションを設定しちゃいましょう!
2.を選んだ方
これを選んだ人はそもそもNERVEにアクセスすべきじゃないですね。まあでも平穏無事が一番かもしれません。スリルもリスクも、映画を見て得ればいいじゃない。
3.を選んだ方
おめでとうございます! あなたはNERVE「挑戦者」の資質あり! 早速登録して、ぜひとも課題をクリアして大金をゲットしてください。すぐ死ぬか捕まるかだと思いますが
とにかくエマ・ロバーツがかわいい
そしてこれには触れておかないといけないですね。
はっきり言って一番の見所は彼女自身じゃないか、というくらい、主人公ヴィー(エマ・ロバーツ)がかわいい。冒頭では進学先に悩む、はっきりいってイケてない学生だったのがあっというまにシンデレラにのし上がっていくのですが、その変身っぷりは一見の価値があります。
課題をクリアしていくなかでときには下着だけの姿になってみたり、あるいはエレベーターの中でイアンと情熱的にキスを交わしてみたり、そうかと思ったらその直後に何食わぬ顔でプロム・クイーン然として振る舞ってみたり、様々な魅力を見せつけてくるんですよ! いやホント素晴らしい。
ちなみに下着のシーン、ブラとショーツが不揃いなのが元カースト下層の学生らしくて一番のツボでした。
アメリカン・スクール・カーストをよく表現しているサイドキャスト陣
ヴィーの親友であるシドニー(エミリー・ミード)はフットボールチームのチアでクイーン。また男性の友人もカースト下位のギークであるトミー(マイルズ・ハイザー)。
カースト下位であるヴィーはシドニーのサイドキック(取り巻き)という設定で、かつ学校のキングであるフットボールチームのエース、JPにはあこがれているけども話しかけたこともない、というのが実にアメリカらしい。
ちなみにマイクロソフト社の創業者であるビル・ゲイツ氏はかつてスピーチでこんなことを言ったとか。
ギークには優しくするべきだ。将来君たちは彼らの下で働く可能性は高い。
ギーク層であるヴィーやトミーが本作ではなにを成し遂げるかは実際に映画をご覧になってください。
まとめ
まあはっきり言って、現実では到底あり得ない設定です。金の流れの管理も必要だし、かつては別の都市でも同じように大会を開催したりといった力を感じさせながら、組織として実態のないゲームってなんだよ、って感じ。
そういう細かいところを無視して、今だからこそ見て何も考えずに楽しめる、そんな映画でした。
みんなネットで過激すぎることやって叩かれないようにね!